夏なのに足がむくむ…そのむくみ、暑さのせいだけですか?

内科一般

「夕方になると靴がきつい」
「靴下の跡がくっきり残る」
「最近、足首が
少し太くなった気がする」

夏になると、このような
「足のむくみ」が
気になることは
ありませんか?

むくみとは、
皮膚の下に余分な水分が
たまった状態のことです。

長時間立っていたり、
座ったまま過ごしたり
することでも
足はむくみます。

また、塩分の多い食事や
一部のお薬などが
関係することもあります。

ただし、

「暑いから
むくんでいるだけだろう」

と決めつけるのは
少し注意が必要です。

足のむくみの中には、
心臓や腎臓などの病気が
関係しているものも
あります。

今回は、
夏に気になる足のむくみと、
循環器内科へ
相談したほうがよい
サインについて
ご紹介します。

1.そもそも
「むくみ」とは?

むくみは、医学的には
「浮腫(ふしゅ)」と
呼ばれます。

足首やすねを
指で押したときに
跡がしばらく残ったり、
靴や靴下がいつもより
きつく感じたりすることが
あります。

特に足は重力の影響を
受けやすいため、
長時間立ったまま、
座ったままの生活では
水分がたまりやすく
なります。

夕方になると、

「靴下さん、
今日はずいぶん
強く自己主張しますね……」

というくらい
跡が残っていることも
あります。

一時的なむくみで、
休むと改善する場合も
ありますが、
毎日のように続く場合は
原因を確認することが
大切です。

2.夏は「座りっぱなし」
にも注意

暑い日は外出を控え、
冷房の効いた部屋で
過ごす時間が増えがちです。

また、お盆の帰省や
旅行では、車や新幹線、
飛行機などで
長時間座り続けることも
あります。

長時間同じ姿勢を
続けることは、
足のむくみの原因の
ひとつです。

さらに、水分不足の状態で
長時間足を動かさないと、
血液の流れが悪くなり、
血栓ができやすくなること
があります。

厚生労働省も、
長時間の移動では
こまめな水分補給や、
足を動かすことを
勧めています。

可能であれば、
ときどき立ったり
歩いたりして、

  • 足首を回す
  • かかとを上げ下げする
  • ふくらはぎを動かす
  • 同じ姿勢を長時間続けない

ことを意識しましょう。

足にも、
ときどき「休憩」ではなく
「運動」が必要です。

3.心臓が原因で
むくむこともあります

循環器内科として
特に注意したいのが、
心不全によるむくみです。

心不全とは、
心臓の働きが低下して、
体が必要とする血液を十分に
送り出せなくなった状態です。

心臓の働きが低下すると
体内に水分がたまり、
足の甲やすねが
むくむことがあります。

国立循環器病研究センターでは
心不全の比較的多い
初期症状として、
息切れや足のむくみを
挙げています。

また、体内に水分が
たまることで、
1週間に2~3kg程度
体重が増えることも
あるとしています。

そのため、
「むくみ+体重増加」
は覚えておきたい
組み合わせです。

「最近ちょっと太ったかな?」

と思っていたら、
実は脂肪ではなく
水分がたまっていた、
ということもあります。

4.むくみと一緒に
確認してほしい症状

足がむくんでいるときは、
足だけを見るのではなく、
ほかの体調変化も
確認してみましょう。

特に、

  • 最近、息切れしやすくなった
  • 階段や坂道が以前よりつらい
  • 足のむくみが毎日続いている
  • 数日~1週間で体重が急に増えた
  • 夜、横になると息苦しい
  • 夜中に息苦しくて目が覚める
  • 尿の量が減ってきた
  • 強い疲れやだるさがある

といった症状がある場合は、
心不全などが関係している
可能性があります。

2025年改訂の
日本循環器学会の
心不全診療ガイドラインでも、
呼吸困難や浮腫などは
心不全の症状として
示されています。

「夏バテかな」
「年齢のせいかな」

と我慢せず、循環器内科へ
ご相談ください。

5.片足だけ急に
むくんだ場合は注意

もうひとつ
気をつけたいのが、
片方の足だけが
急に腫れた場合**です。

特に、

  • 片足だけ急に腫れた
  • 足に痛みがある
  • 左右を比べると明らかに太さが違う

といった場合には、
深部静脈血栓症という、
足の静脈に
血のかたまりができる
病気も考える必要が
あります。

厚生労働省も、
深部静脈血栓症では

「片方の足の急激な
痛みや腫れ」

がみられる場合が
あるとしています。

自己判断で
強くマッサージしたりせず、
早めに医療機関へ
ご相談ください。

6.急な息苦しさや
胸の痛みが出たら

足にできた血栓が
肺へ移動すると、
肺の血管を詰まらせる
「肺塞栓症」を起こすことが
あります。

足の腫れに加えて、

  • 突然、息が苦しくなった
  • 胸が痛い
  • 冷や汗が出る
  • 意識が遠のく

といった症状が
現れた場合は、
緊急性があります。

このような場合は、
自分で運転して
病院へ行こうとせず、
119番へ連絡してください。

7.むくんだから
「水分を減らそう」は
自己判断しないで

足がむくむと、

「水分がたまっているなら
水を飲まなければ
いいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、
夏は熱中症や脱水にも
注意が必要です。

特に心不全や腎臓病などが
ある方では、
必要な水分量は
病状や治療内容によって
異なります。

むくみがあるからといって
極端に水分を減らしたり、
反対に「夏だから」と
大量に飲んだりせず、
水分や塩分について指示を
受けている方は
主治医の指示を
優先してください。

また、
血圧のお薬などの中には、
足のむくみが副作用として
現れるものもあります。

気になる場合も、
お薬を自己判断で中止せず、
医師や薬剤師へ
相談しましょう。

8.毎日の体重チェックも
役立ちます

心不全で治療中の方は、
足のむくみだけでなく
体重の変化を
見ることも大切です。

できれば毎日、
同じような時間・条件で
体重を測っておくと、

「昨日より増えている」
「ここ数日で急に増えてきた」

という変化に
気づきやすくなります。

国立循環器病研究センターでも
心不全では水分が体に
たまることで、
足のむくみとともに
急な体重増加が起こることが
あると説明しています。

毎日の体重計は、
少し面倒に感じるかも
しれません。

でも、体重計は
ダイエットの
ためだけではなく、
体に水分がたまっていないか
を見る道具にもなります。

9.「夏だから仕方ない」
と決めつけないで

足のむくみは、
長時間立っていたり
座っていたりするだけでも
起こります。

しかし、

  • むくみが何日も続く
  • むくみが以前より強くなった
  • 息切れを伴う
  • 短期間で体重が増えた
  • 夜に息苦しくなる
  • 片足だけ急に腫れた

といった場合は、
一度医療機関へ
ご相談ください。

特に、
むくみに息切れや
急な体重増加が
加わった場合は、
心臓からのサインかも
しれません。

「暑いから」
「疲れているから」

と全部夏のせいにせず、
いつもと違う変化に
気づくことが大切です。

靴下の跡も、
ときには体からの
小さなお知らせかも
しれません。

気になるむくみが
続く場合は循環器内科へ
お気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な
医療情報をお伝えするもので、
個々の症状を
診断するものではありません。

急な息苦しさや胸の痛み、
意識が遠のくなどの
症状がある場合は、
速やかに119番へ
連絡してください。