スマートウォッチに「心拍数が高い」と出た…どこまで気にする?

内科一般

仕事中、
ふとスマートウォッチを
見ると、

「心拍数 105」

「あれ?高くない?」

数字を見た途端、
なんだか心臓まで
ドキドキしてきた……。

そんな経験はありませんか?

最近は
スマートウォッチで、
心拍数や運動量、
睡眠などを手軽に
確認できるように
なりました。

とても便利な一方で、

「心拍数が高い=
心臓の病気?」

と心配になってしまう
方も少なくありません。

今回は、
スマートウォッチで
心拍数が高く
表示されたとき、
どこまで気にしたら
よいのかをご紹介します。

1.そもそも心拍数とは?

心拍数とは、
心臓が1分間に
何回拍動しているかを
表した数字です。

一般的に、
成人が安静に
しているときの心拍数は
1分間に60~100回程度が
目安とされています。

安静時に100回を
超える状態は
「頻脈」と呼ばれます。

ただし心拍数は
いつも同じではありません。

  • 運動したあと
  • 階段を上ったあと
  • 緊張しているとき
  • ストレスが強いとき
  • 発熱しているとき
  • コーヒーなどのカフェインを摂ったあと
  • 寝不足のとき

などには、
一時的に心拍数が
上がることがあります。

つまり、
会議に遅れそうで
駅の階段を駆け上がった
直後に「105」と
表示されても、
それだけで病気とは
判断できません。

時計より先に、
自分が何をしていたかを
思い出してみましょう。

2.スマートウォッチの数字は絶対ではありません

スマートウォッチは
心拍数を知るうえで
便利な道具ですが、
医療機関で行う検査と
まったく同じものでは
ありません。

例えばApple Watchでは、
手首の血流を
光学センサーで読み取って
心拍数を測定していますが、
メーカー自身も、
常にすべての人で
正確な心拍数を
測定できるとは限らない
と説明しています。

また、ときには
異常に高い・低い測定値が
表示される場合も
あります。

ベルトがゆるい、
腕を動かしている、
測定条件がよくない、
といったことでも
数値に影響する可能性が
あります。

そのため、

「1回だけ高い数字が出た!」

と、それだけで
慌てる必要はありません。

数字を見てびっくりして
心拍数がさらに上がる
……となると、
スマートウォッチと
心臓の追いかけっこに
なってしまいます。

高い数字が出たら、
まず落ち着いて
もう一度確認

心拍数が
高く表示されたら、
まず椅子に座るなどして
数分間安静にして
みましょう。

そのうえで、

  • 運動した直後ではないか
  • コーヒーやエナジードリンクを飲んでいないか
  • 緊張やストレスがなかったか
  • 発熱や体調不良がないか
  • 寝不足ではないか
  • お酒を飲んでいないか

などを振り返ってみます。

落ち着いた状態で
測り直し、
普段の心拍数に
戻るのであれば、
一時的な変化だった
可能性があります。

一方で、
安静にしているのに
100回/分を超える状態を
繰り返す場合や、
明らかにいつもより
高い状態が続く場合は、
一度医療機関へ
相談すると安心です。

安静時100回/分超は
一般に頻脈に
分類されますが、
その原因は心臓だけでなく
発熱、貧血、甲状腺の病気
などさまざまです。

3.「不規則な心拍」の通知が出たら?

スマートウォッチの中には
不規則な心拍を検出して
通知する機能を
備えたものがあります。

例えばApple Watchでは、
心房細動を示唆する
不規則な心拍が
複数回確認された場合に
通知する機能があります。

ただし、Appleも
通知は診断そのものでは
ないと明記しています。

また、常に心房細動を
監視しているわけでは
ないため、
通知が出ないから
心臓に問題がないとも
言い切れません。

通知が繰り返し
出る場合は、
記録を残して医療機関へ
相談しましょう。

製品や機種によって
機能や精度、通知条件は
異なりますので、
ご自身の機器の説明も
確認してください。

4.スマートウォッチの記録は診察にも役立ちます

気になる心拍数が
表示された場合は、

  • 日時
  • 心拍数
  • 何をしていたときか
  • 何分くらい続いたか
  • 動悸を感じたか
  • 胸痛や息切れ、めまいがなかったか
  • コーヒーやお酒を飲んでいたか

などを記録しておくと、
診察時の参考になります。

スマートウォッチ画面を
スクリーンショットで
残しておくのも
よいでしょう。

「なんとなく時々
ドキドキします」

より、

「午後3時ごろ、
デスクワーク中に
心拍数110前後が
10分ほど続きました」

という情報があるほうが、
原因を考えるための
手がかりになります。

5.こんなときは循環器内科へ

次のような場合は、
スマートウォッチの
数値だけで判断せず、
一度医療機関へ
ご相談ください。

  • 安静にしているのに心拍数が高い状態を繰り返す
  • 以前より心拍数が明らかに高くなった
  • 動悸を何度も感じる
  • 脈がバラバラ、飛んでいるように感じる
  • スマートウォッチから不規則な心拍の通知が繰り返し出る
  • 動悸と一緒に息切れやめまいがある

繰り返す動悸や、
数分以上続く
動悸については
医療機関への相談が
勧められています。

診察では必要に応じて、
心電図や長時間心電図
などで心臓のリズムを
確認します。

胸の痛み、強い息苦しさ
失神を伴う場合は
別です。

スマートウォッチの
数字よりも重要なのが、
本人の症状です。

動悸や速い心拍とともに、

胸が痛い、圧迫される
強い息苦しさがある
強いめまいがある
意識が遠のく、失神する

といった症状が
ある場合は、
緊急性の高い病気の
可能性があります。

速やかに119番へ
連絡してください。

スマートウォッチの
記録をじっくり
見返している場合では
ありません。

6.スマートウォッチは「診断する先生」ではなく「気づくきっかけ」

スマートウォッチは、
自分の体の変化に
気づくための
便利な道具です。

ただし、

高い数字が1回出た
=病気

ではありません。

反対に、

通知が出ていない
=絶対に大丈夫

でもありません。

FDAも、
心拍や心臓のリズムを
確認するウェアラブル機器
について、

こうした機器は
診断そのものを
行うためのものでは
ないと説明しています。

大切なのは、

「数字を見る」
+
「自分の症状を見る」

ことです。

せっかく腕に
健康データを教えてくれる
相棒がいるのですから、
数字に振り回される
のではなく、
上手に利用して
いきましょう。

安静時にも
高い心拍数を繰り返す、
動悸や脈の乱れが気になる、
不規則な心拍の
通知が続くといった場合は、
循環器内科へ
ご相談ください。